OCTAVEの一貫した基本指針、それは、最新の技術革新の成果を古典的な真空管技術に取り入れることです。
OCTAVEのテクノロジーは、企業理念の通り、革新的かつオリジナルなアプローチによって、真空管アンプ回路設計を発展させてきました。それは数々の特徴、真にパワフルなダイナミクス、デバイスの存在を忘れさせる高SN、広帯域特性、驚異的な安定性と長寿命、総合的な安全性、等に顕著です。OCTAVE は30年にわたり、それらの特徴を具現化するハイエンドのアンプに特化したモノづくりを続けてきました。そのアプローチは市場においても実証され高い評価を獲得し、OCTAVE が獲得したポジションに到達した他のメーカーは未だ存在していません。
今回は、OCTAVEの比類ないアンプ技術を初めてシングルエンド設計に採用しました。極めてナチュラルなオーディオ再生に望ましいものであり、クリアで明瞭なサウンドを実現できるため、特に高能率なスピーカーや高性能ヘッドフォンに最適です。
シングルエンドアンプは、音楽信号が分割増幅されないため、正負のクロスオーバー歪みが発生せず、自然調和の音調を備え、とりわけ明瞭で魅力的なミッドレンジを再生します。
OCTAVE にとって、シングルエンドのA級回路を採用したことは技術的な挑戦でもありました。それは、回路構成の欠点をどのように克服して優れた音質を獲得できるかについての技術的な問題です。数々のOCTAVE における技術革新とオリジナルの出力トランスを採用することにより、その課題に対する回答が非常に洗練されたかたちで得られたのです。OCTAVE 初のシングルエンド設計による最新のV16 シングルエンドアンプの誕生です。
シングルエンド回路のナチュラルな音質とミッドレンジの明瞭さには特有の魅力が備わっていますが、製品化にあたっては留意するべきいくつかの制約があることも知られています。
:一般的なシングルエンド回路の問題点とOCTAVEの解決法
- 低音域でのレスポンス低下 –
OCTAVEでは、新たに専用設計した磁場補償出力トランスによって、シングルエンドアンプ固有の問題を解消しました。
自社開発のトランスで知られるOCTAVEの社内で細心の注意を払って作られています。
カスタマイズされたトランスを採用した結果、V16シングルエンドの低域方向における電力帯域幅は10Hzまでリニアな
特性を獲得しています。
- 高音域でのレスポンス低下とナローな再生周波数帯域 –
ドライバー段とフィードバック回路の最適化により、従来シングルエンドアンプ設計では実現不可能とされていた再生周波数
特性を、V16シングルエンドでは10Hzから100kHzまで拡張しています。
- スピーカーから検知される比較的高い残留ノイズ –
V16シングルエンドのハムレベルは、出力トランスと電源トランスの最適配置により、電源部を独立させることなく、
事実上、検知されないレベルにまで低減されています。
V16シングルエンドのスピーカーおよび、ヘッドフォン出力で測定される低周波ノイズレベルは、8Ωで -110dB / 1W、
50Hzでは約15-20μVに相当します。
- クラスA動作時の高電流による発熱 –
シングルエンドA級設計では定格出力の150%までも過度なアイドリング状態になっているものが多く見受けられます。
そうした製品は通常の動作時に非常に高温になってしまいます。
a. V16シングルエンドは、クラスAモードで3段階の設定を適用させています。
クラスAレベルは、スピーカーの負荷(4-8 Ω)とヘッドフォンに対して100%〜30%の間で自動的に調整され、アンプの動作温度は大幅に低下し、高寿命にも大幅に貢献しています。
b. さらに、V16シングルエンドは、エネルギー効率を高めるOCTAVEオリジナルの「Ecomode」技術も備えています。
これは、音楽信号の休止中はクラスAレベルを30%に低減させ、音楽信号が再び流れはじめた場合にアンプの動作を
ゆっくり立ち上げるものです。
OCTAVE V16 にはオプションでPre-Out 機能も装備されています。複雑な仕様に思われますが、製品自体に大きな柔軟性をもたらすものです。つまり、V16は様々な音楽再生システムを構成することができます。
高性能ヘッドフォン専用としてはもちろんのこと、高能率スピーカーとのシンプルセッティング、アクティブスーパーウーファーと組み合わせたハイブリッドシステム、さらにはスピーカーのバイアンプ駆動等です。バイアンプシステムにおいては、内蔵イコライザーで最低域成分(80Hz 以下)をカットして、V16を中~高音域側専用とすることができます。再生周波数帯域はOCTAVE により最適化され、それに応じて低域側の再生をマッチングさせるのです。この方式では、低音領域を別筐体のアンプ(あるいはスピーカー内蔵のもの)に受け持たせ、V16 シングルエンドアンプが獲得した比類ない中高音域再生における美点と繊細さを活かしたセットアップを実現できます。
V16シングルエンドに費やした長い開発時間が多くの実りをもたらしました。深々とした低音、ナチュラルなミッドレンジとシルキーで滑らかな高音域。卓越した信頼性と長寿命を兼ね備え、超静音動作を実現する妥協のないシングルエンドA級アンプの誕生です。
あらゆる点で純粋で現代的な第一級のアンプに仕上がりました。
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