真空管によるラインステージ部分と、
半導体による出力バッファ部分から成り立つハイブリッド真空管プリアンプ
HP300MK IIは、ハイブリッド構成により様々な負荷に対しても優れたドライブ力を発揮します。バッファには高電流出力デバイス(BUF634)を使用しています。真空管回路は2つの部分に分かれており、初段のECC802は高インピーダンスな入力段を形成し、ECC88 (6922)を使用する次段はバッファを駆動します。システムにはNFBをかけています。
本機は2つのゲイン設定 (gain low: 12.5dB, gain high: 17.5dB)が可能。XLR出力は半導体による反転アンプ素子を通して出力されます。バランス出力は常にRCA出力に対して+6dBの信号レベルです。
高電流出力が可能なバッファ部によって、HP300MK IIの実際の出力インピーダンスは非常に低くなります。バランス出力段はDC結合、RCA出力段はAC結合されています。RCA出力のカップリングコンデンサは15μFです。
フォノステージも同様の技術で造られています。RIAAアンプの中心には真空管が1本 (ECC81)あります。MC入力段には、特別な超低ノイズIC (LT 1115)を使用しています。
EQ部は真空管で形成され、出力段はFET入力IC (OPA604)によるものです。この3つの段の設計は、MCフォノサーキットに求められる全ての必要なセッティングを可能にします。MC入力インピーダンスは調整可能で、ゲインも選択でき、サブソニックフィルター機能も備えています。全ての内部供給電圧は各々の箇所で安定化されています。新しい電源部はより広い範囲の電圧変動に対応し、電源の汚染による音質への悪影響を受けにくくしています。その改善の度合いは商用電源や使用環境にも左右されますが、測定数値上のみならず、聴感上にも好結果をもたらしました。また、出力ハム音とノイズは理論値限界まで低減されています。
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