NuForce(ニューフォース)の革新的製品であるP-9(ピーナイン)は、Demian
Martin(デミアン・マーティン※)によって設計された、2つの独立した筐体で構成される、超低ノイズのオーディオプリアンプです。 |
一つの筐体(コントロールBOX)には3系統の電源装置と、マイクロプロセッサによる制御ロジック回路が内蔵され、もう一つの筐体(アナログBOX)には、入力切替のリレーとボリュームを含む超高性能のアナログプリアンプ回路が内蔵されています。筐体の外観は、Reference
9(リファレンスナイン)シリーズのパワーアンプと調和を持たせてあります。 |
P-9の技術で特筆すべきことは、“デュアルドライブ”コントロールです。 |
音量の調整は、アナログBOXのボリュームノブ(アルプス製ポテンショメータ)を直接操作するか、コントロールBOXのボリュームノブを、手動もしくはリモコン(カスタムデザイン)で操作することによって行います。両者は連動しており、コントロールBOXのマイクロプロセッサが、アルプス製の機械式ボリュームを電動で制御するのです。つまりP-9では、音量調整の制御はマイクロプロセッサによって行いますが、音量調整そのものは、アルプス製のポテンショメータによって行われているのです。 |
P-9の核心部分は、オールディスクリート回路による超高性能で超低ノイズなアンプモジュールです。このモジュールは、モノリシック構成のデュアルJFETと厳重に選別されたVMOS
FET、hfe特性がそろったバイポーラトランジスタによるデュアルカスケード回路によるもので、終段の電圧増幅部においては、ドリブンシールドを用いて容量性負荷を排除しています。これらの技術の集積によって、100dBを超えるS/N比、120dBにおよぶダイナミックレンジ、5MHzにおよぶ再生周波数帯域幅を成し遂げています。格別に安定したP-9の増幅回路は、信号系路上に、DCカット用のカップリングコンデンサもDCサーボ回路も存在しません。 |
回路デザインやレイアウトを決定する際には、外部要因からのアイソレーションに特に注意を払いました。アンプモジュールには回路動作上の突然の温度変化や出力上昇時の放熱のために、重量のある銅ケースによるシールドが為されています。また、各々のアンプモジュールは、電源部からの影響を極力避けるために独立したシャントレギュレータによる電力供給を行っています。コントロールBOXがアナログBOXへ送るのは、入力切替用のリレーとボリュームを回転させるためのモーターが必要とする直流電圧のみです。 |
こうした配慮によって、アナログBOXの微小レベルを扱う回路へ外部からの影響が生じるのを防いでいます。P-9はその総合的なアイソレーション技術により、リモコンによる利便性と操作性を備えながら、超低ノイズを実現しているのです。 |
ホームシアターシステムとピュアオーディオシステムの双方に妥協を許さないオーディオファイルのために、P-9は音量調整回路をバイパスできる機能も備えています。このことによって、サラウンドプロセッサとP-9によるメインスピーカー駆動用パワーアンプの共用が可能となります。 |
主な特徴 |
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2-Box デザイン |
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小型8 1/2ハーフラックシャーシ |
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超低ノイズ1nV/ Hz JFETs(トランジスタ)使用 |
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カスタムメイドによるモーターライズド ALPS製ボリュームコントロール |
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マイクロプロセッサによる制御 |
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“デュアルドライブ”ボリュームコントロールメカニズム |
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DCサーボもDCカット用のコンデンサも存在しない信号経路
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3系統の独立した電源部 |
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ホームシアター用途のバイパス入力 |
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厳重な銅シールドによって隔絶された個々の音声チャンネル回路 |
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電位の安定したシグナルGNDの基準となる、ステンレス鋼による背面パネル |
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Demian Martin(デミアン・マーティン)・・・電子技術、電気理論、オーディオ技術におけるシステムデザインを専門としている著名で経験豊かな工業コンサルタント。 |
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オーディオ産業において長く優れた経歴を持ち、高品質かつ高性能な数々のオーディオ製品を送り出したSpectral
Audio(スペクトラルオーディオ)の共同設立者であり、技術責任者として活躍。同社においてDMC-10をはじめとする、非常に低ノイズのプリアンプや、広帯域なパワーアンプのDMA-100の設計を手がけ、特にDMA-100の開発においては、6年間もの歳月を費やした結果、アンプデザインに新しい高性能ベンチマークをもたらした。 |
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