バランスドアーマチュアドライバー

バランスドアーマチュアドライバーは、歪みをほとんど発生しないという点でシングルダイナミックドライバーに勝ります。鮮明さや中立性を高レベルで実現するよう開発され、ほとんどのヘッドフォンやイヤフォンで見受けられるシングルドライバー（インナースピーカー）の精度をはるかに超えます。HEMイヤフォンは各々の耳に複数のこのようなドライバーを使用することで、フルレンジのプロ仕様スピーカーの技を再現しています。

バランスドアーマチャードライバーは小型サイズで、複数のドライバーでフルレンジのサウンドフィールドを作り上げるために一体化させることが可能です。その結果、高音量時でも鮮明さを保ち、超低音量時でも決定的なディテールを取り戻すことが可能な、驚くべき真に迫った豊かで正確なサウンドになるのです。

クロスオーバー

複数のドライバーを使うには周波数を分割させるクロスオーバーネットワークが必要になります。このクロスオーバーは与えられた周波数帯域を個々のドライバーに割り当てるため、他のスピーカー同様、システムの重大な「心臓部」というべき存在です。究極のシステム性能はクロスオーバーが、個々のドライバーの出力を周波数における重要な歪みと極度の振動が発生しない帯域のみを再生し、それらをシームレスに融合させるという結果にならない限り達成されません。

NuForceのエンジニアは妥協なくヘッドフォンクロスオーバーの設計に挑戦しました。それぞれのHEMモデルのために最適化された特性だけが必要でした。この挑戦を満たすには高度なレベルのモデリングが必至でしたが、スピーカー設計に採用されるツールはヘッドフォン用として相当するものがありませんでした。そのため、解決策は既存のツールをタスクに応じてモディファイして適用させ、そしてクロスオーバー部分の限界問題を克服する若干の革新的なアイデアを適用させる方法を見付けることでした。

究極の音楽的正確さや一貫性のため、大規模な多変数接点解析＆計算機モデリングがHEMイヤフォンの開発に際し採用されました。結果、線形周波数と位相応答のどちらも表すフルスペクトル設計となりました。

パフォーマンス

それぞれのHEMモデルはどの価格帯においてもバランスドアーマチュアドライバーイヤフォンに滅多に見られない信じられないほどの滑らかな周波数特性、非常に高速なトランジェントスピードとパーカッション音の立ち上がりを再現できる線形位相応答、人間の聴覚の限界をはるかに超えたダイナミックなピークの再現にも十分な非常に高い出力性能、ほとんどないくらいの低歪みを獲得。究極に忠実なイヤフォン性能をお望みであれば、NuForceのHEMモデルがイヤフォン再生システムの基礎となる運命にあると言えるでしょう。